介護職の給料だけじゃ、生活がきつい…。このまま続けて大丈夫なのかな。
介護職の給料で「生活できない」と感じるのは、あなたのがまんが足りないからではありません。多くの場合、手取りの少なさ・手当に頼った給与の仕組み・職場ごとの待遇の差が重なっています。
2026年6月からは介護職員等処遇改善加算が拡充され、介護職員は最大で月1.9万円の賃上げが見込まれています。ただし、全員の給料が自動的に1.9万円上がるわけではなく、職場が加算をどの区分で取り、どう配分するかで差が出ます。
特養と有料老人ホームで17年、そのあとケアマネと介護事務も経験した私が、給与明細の見方から収入を上げる現実的な方法まで、順番にお伝えしますね。
この記事でわかること
- 介護職が「生活できない」と感じやすい3つの理由
- 厚生労働省のデータで見る介護職の給料と資格ごとの差
- 2026年6月の処遇改善で給料はいくら上がるのか
- 給与明細の確認・資格・転職で収入を上げる方法
介護職で生活できないと感じる3つの理由

介護職で生活できないと感じるのは、給料の額だけが原因ではありません。手取りの少なさ、手当に頼った給与の仕組み、生活費の上昇が重なることで、毎月の余裕がなくなっていきます。まずは、自分がどれに当てはまるかを確かめてみましょう。
- 額面と手取りの差が大きく感じやすい
- 夜勤や手当に収入が左右されやすい
- 物価や家賃の上昇で苦しさが増しやすい
額面より手取りが少なく感じやすい
介護職で「思ったより生活できない」と感じる大きな理由は、求人票や給与明細の額面と、実際に自由に使える手取りに差があるからです。
毎月の給与からは社会保険料や所得税、住民税が引かれます。年齢や扶養の有無で変わりますが、手取りは額面の75〜85%ほどが目安です。たとえば額面25万円なら、手取りはおよそ19万〜21万円になります。
- 求人票の月給は手当込みで高く見えやすい
- 手取りになると数万円下がる
- 賞与があっても毎月の生活費は楽になりにくい
- 一人暮らしや家族を養っている場合は負担感が強くなりやすい
私も現場にいたとき、総支給だけを見るとなんとかなると思っても、実際の振込額を見ると「これで家賃も生活費も払うのはきつい」と感じる月がありました。
まずは額面ではなく手取りで今の生活を見直すことが、対策の第一歩になります。
夜勤や各種手当に収入が左右されやすい
介護職は基本給だけでは高くなりにくく、夜勤手当や処遇改善手当などで月収を補っている職場が少なくありません。
そのため、夜勤回数を減らしたり、体調や家庭の事情で働き方を変えたりすると、すぐに生活が苦しくなることがあります。
- 夜勤ありと日勤のみで月収の差が出やすい
- 処遇改善手当の配分は事業所によって差がある
- 基本給が低いと賞与や退職金にも影響しやすい
- 長く働いても昇給幅が小さい職場もある
若いうちは夜勤でカバーできても、ずっと同じ働き方を続けるのはむずかしいですよね。手当に頼りきりの給与だと将来の不安が大きくなりやすいので、基本給と手当の内訳を確認することが大切です。
物価や家賃の上昇で生活の苦しさが増しやすい
給料が大きく変わらなくても、生活費が上がれば「前よりきつい」と感じやすくなります。とくに一人暮らしや子育て中の方は、家賃、食費、日用品、通勤費などの固定費がじわじわ増えて、毎月の余裕がなくなりやすいのではないでしょうか。
- 家賃や光熱費の上昇が家計を圧迫しやすい
- シフト勤務で自炊がむずかしく食費が増えやすい
- 冠婚葬祭や急な出費に対応しにくい
介護の仕事は好きでも、生活が回らない不安が続くと、仕事そのものまで嫌いになってしまうことがあります。がまんだけで乗り切るのではなく、収入を増やす方法と支出を整える方法の両方を考えることが大切です。
介護職の給料の実態を厚生労働省のデータで見る

「介護職は給料が安い」とよく言われますが、実際の数字を見ると、資格や働き方によってかなり差があります。ここでは厚生労働省の調査をもとに、平均給与と資格ごとの差、介護職の今後の需要を確認します。
平均給与額は月33万8,200円、ただし毎月の基本給等は約25万円
厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果では、処遇改善加算を取っている事業所で月給・常勤の介護職員の平均給与額は月33万8,200円です。
ただし、この金額には賞与などの一時金を月あたりに割った分も含まれています。毎月決まって支払われる基本給と手当を合わせた「基本給等」で見ると、月25万3,810円(令和6年9月)です。手取りにすると、20万円前後になる方が多いはずです。
参考:厚生労働省 令和6年度介護従事者処遇状況等調査結果のポイント
- 平均給与額は賞与や夜勤手当を含んだ金額である
- 月給・常勤のデータなので、非常勤ではもっと低くなる
- 地域や施設の種類による差も大きい
「平均33万円」と聞いて「そんなにもらってない」と感じた方は、基本給等の25万円台のほうが実感に近いはずです。平均額を見るときは、必ず自分の働き方や手取りと照らし合わせてくださいね。
資格があるほど給料は上がりやすい
同じ調査では、保有資格によって平均給与額に差があることもわかっています。とくに実務者研修と介護福祉士の間では、平均で約3万8,000円の差があります。
| 資格 | 平均給与額 |
|---|---|
| 保有資格なし | 305,230円 |
| 介護職員初任者研修 | 318,340円 |
| 実務者研修 | 325,800円 |
| 介護福祉士 | 363,550円 |
| 介護支援専門員 | 403,680円 |
- 無資格より資格ありのほうが給与は上がりやすい
- 介護福祉士は資格手当や役割の広がりにつながりやすい
- ケアマネはさらに給与水準が上がりやすい
- 資格があっても職場次第で差が出る
私も現場からケアマネ、介護事務と動くなかで、同じ介護業界でも資格と役割で見える景色がかなり変わると感じました。今すぐ大きく変えるのがむずかしくても、資格は収入アップの土台になりやすいです。
介護職は今後も需要が高い仕事
厚生労働省は、第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数として、2026年度に約240万人、2040年度に約272万人の介護職員が必要と示しています。
- 経験者は転職でも強みになりやすい
- 施設、訪問、相談職など選択肢が広い
- 資格があるほど働き方を選びやすい
つまり、「介護業界に未来がない」というより、今の職場の条件のままでいいかを見直すほうが大切です。
2026年6月の処遇改善で介護職の給料はいくら上がる?

2026年6月、3年に1度の定期改定を待たずに介護報酬の臨時改定が行われ、処遇改善加算が拡充されました。「最大月1.9万円の賃上げ」というニュースを見た方も多いと思います。ここでは、その中身と、自分の給料に反映されているかの確かめ方を整理します。
介護職員は最大で月1.9万円の賃上げ
厚生労働省の資料によると、2026年度の改定率はプラス2.03%で、そのうち1.95%が処遇改善にあてられています。賃上げの中身は次のとおりです。
| 対象 | 賃上げの目安 |
|---|---|
| 介護従事者(介護職員以外も含む) | 月1.0万円(3.3%) |
| 生産性向上や協働化に取り組む事業所の介護職員 | さらに月0.7万円(2.4%)を上乗せ |
| 合計(介護職員) | 最大月1.9万円(6.3%)※定期昇給0.2万円込み |
参考:厚生労働省 令和8年度介護報酬改定について(2026年10月13日確認)
注意したいのは、「最大」の1.9万円には、職場が条件を満たしたときだけの上乗せ分と、定期昇給分が含まれていることです。上乗せの区分(加算Ⅰロ・Ⅱロ)は、ケアプランデータ連携システムへの加入や生産性向上推進体制加算の取得など、事業所側の取り組みが条件になっています。
ケアマネや事務職、訪問看護も対象に広がった
今回の改定で、処遇改善加算の対象は「介護職員」から「介護従事者」全体に広がりました。これまで加算の対象外だった居宅介護支援(ケアマネ事業所)、訪問看護、訪問リハビリテーションにも、新しく加算が設けられています。
ケアマネとして働いていたころ、介護職員には処遇改善があるのにケアマネは対象外で、同僚と「私たちの給料はいつ上がるんだろうね」と話したことがありました。やっと対象になったのは、正直うれしいです。
ただし、居宅介護支援の加算率は2.1%と、介護職員がいるサービスに比べると小さめです。ケアマネや事務職の方は「大きく上がる」とは考えず、職場の配分を確認してみてください。
自分の給料に反映されているか確認する方法
処遇改善加算は、まず事業所に支払われ、誰にいくら配分するかは事業所が決めます。そのため、同じ介護職員でも職場によって上がり方が違います。次の点を確認してみましょう。
- 2026年6月分以降の給与明細を、5月分以前と比べる
- 基本給・処遇改善手当・ベースアップ手当など、どの欄が増えたかを見る
- 毎月ではなく、一時金や賞与でまとめて支給される分がないか確認する
- わからなければ、上司や事務担当に「どの加算区分を取って、どう配分しているか」を聞く
介護事務として働いていたとき、処遇改善加算の書類づくりにも関わりましたが、同じ加算でも配分の仕方は事業所ごとに本当にさまざまでした。手当の名前も職場によって違うので、明細の欄名だけで判断しないのがコツです。
明細を見ても増えておらず、説明もない場合は、職場を見直すサインの1つです。見直したい職場の特徴は、このあとの章でまとめています。
介護職で給料アップする3つの方法

介護職で生活を少しでも楽にしたいなら、気合いで耐えるよりも、収入を上げる方法を具体的に試すことが大切です。今の職場でできる確認から、資格、転職まで、取り組みやすい順に紹介します。
- 今の職場の給与内訳を確認する
- 資格を取って給料の土台を上げる
- 条件の良い職場へ転職する
今の職場の給与内訳を確認する
最初にしておきたいのは、今の職場で「何を変えれば給料が上がるのか」を見える化することです。基本給が低いのか、夜勤手当が少ないのか、昇給が止まっているのかで、対策は変わってきます。
- 基本給はいくらか
- 夜勤手当や資格手当はいくらか
- 2026年6月の処遇改善が反映されているか
- 昇給ルールや評価基準が明確か
- 賞与や退職金が基本給をもとに計算されるか
私も転職を考えたときに給与明細を細かく見直して、思っていた以上に基本給が低いことに気づきました。現状を数字で把握できると、今の職場に残るべきか、次を探すべきかが判断しやすくなります。
資格を取って給料の土台を上げる
長い目で給料を上げるなら、資格取得は外せません。無資格なら初任者研修、すでに持っているなら実務者研修、その先に介護福祉士と、段階的に目指せます。
働きながら介護福祉士を目指す場合は、実務経験3年以上と実務者研修の修了が受験の条件になります。前の章の表のとおり、実務者研修と介護福祉士では平均給与に約3万8,000円の差があるので、早めに準備を始めるほど回収も早くなります。
- 資格手当がつく職場を選びやすくなる
- 介護福祉士やケアマネへの土台になる
- 現場以外の仕事にもつなげやすい
「受講料を払う余裕がない」という方は、働きながら資格を取れる仕組みを使う方法もあります。介護の派遣会社「かいご畑」には、仕事をしながら資格講座を受講料0円で受けられる「キャリアアップ応援制度」があります(条件あり。2026年10月10日に公式サイトで確認)。
\無資格・未経験からでも相談OK/
資格を取ったあとは、それをきちんと評価してくれる職場を選ぶことまで考えておくと、収入アップにつながりやすくなります。
条件の良い職場へ転職する
いちばん早く生活を立て直しやすい方法は、待遇の良い職場へ転職することです。同じ介護職でも、施設の種類、法人の規模、夜勤体制、手当、福利厚生によって、年収や働きやすさはかなり変わります。
- 基本給が高めに設定されている
- 夜勤手当や資格手当が明確で高め
- 処遇改善加算の区分や配分の仕方を説明してくれる
- 人員配置に余裕があり離職率が低い
- 資格取得支援や研修制度がある
今の職場で何年がんばっても基本給が上がらないなら、そこに居続けること自体がリスクになる場合もあります。求人を見るだけでも「今の条件が普通なのか低いのか」がわかるので、気持ちの整理に役立ちますよ。
\登録無料・介護職の転職をサポート/
すぐに転職するのはむずかしい方は、本業を続けながら少しずつ収入の柱を増やす方法もあります。介護職に向いている副業は介護職が副業で月3万円稼ぐ方法でまとめています。
生活できないと感じたら見直したい職場の特徴

介護職で生活が苦しいときは、自分の努力不足ではなく、職場の仕組みに原因があることも多いです。次の3つに当てはまるなら、職場を見直すタイミングかもしれません。
基本給が低く昇給ルールがあいまいな職場
毎月の手当でなんとか見せていても、基本給が低い職場は長い目で見るとしんどくなりやすいです。賞与や退職金が基本給をもとに計算される職場では、今の手取りだけでなく将来の差も広がります。
- 基本給が低いまま何年も変わらない
- 評価基準が不透明で昇給の理由が見えない
- 資格を取っても手当がほとんど増えない
- 処遇改善加算の配分について説明がない
「夜勤に入ればなんとかなる」で回している状態は、体力が落ちたときに一気に苦しくなりやすいです。基本給の低さが変わらないなら、環境を変える判断も必要になります。
人手不足で体力的にも精神的にもきつい職場
給料の低さだけでなく、負担の重さとのバランスが悪いと「生活できない」感覚はさらに強まります。介護労働安定センターの介護労働実態調査でも、人手不足や賃金への不満、体の負担が続いている課題として挙げられています。
- 休憩が取りにくく疲れが抜けない
- 記録や残業が持ち帰りになりやすい
- 急な欠勤のしわ寄せが頻繁にある
- 利用者さんに丁寧に関われず自己嫌悪になる
私も忙しすぎる現場では、給料の金額そのものより「この負担でこの収入なのか」と感じるつらさが大きかったです。
負担に見合わない環境なら、がまんよりも職場選びを見直すほうが現実的です。
キャリアアップの道が見えない職場
今はなんとか続けられていても、この先の成長が見えない職場だと不安は消えにくいです。資格取得の支援がない、役職や職種を変える道がない職場では、年数を重ねても収入が伸びにくいことがあります。
- 実務者研修や介護福祉士の支援制度がない
- リーダーや相談職への道が見えない
- 異動や働き方の相談がしにくい
介護業界には、現場以外にも相談職、事務、ケアマネ、教育担当などいろいろな道があります。介護を辞めるか続けるかの二択ではなく、環境や役割を変える視点を持ってみてください。
介護職の給料と生活についてよくある質問

最後に、介護職の給料や生活について、よく聞かれる質問にお答えします。気になるところだけ読んでも大丈夫です。
Q. 介護職は一人暮らしでも生活できますか?
常勤なら、毎月の基本給等の平均は25万円台なので、手取りは20万円前後が目安です。家賃を手取りの3割以内に抑えられれば、一人暮らしもできなくはありません。ただし、夜勤なしの働き方や非常勤では収入が下がるので、家賃の安い地域を選ぶ、資格や転職で基本給を上げるといった工夫が必要です。
Q. 2026年6月の処遇改善は、パートや非常勤も対象ですか?
今回の改定で加算の対象は「介護従事者」全体に広がりましたが、誰にいくら配分するかは事業所が決めます。パートや非常勤も配分の対象にできますが、金額や支給の仕方は職場によって違うので、6月以降の明細を確認し、わからなければ職場に聞いてみてください。
Q. 介護福祉士を取ると、給料はいくら上がりますか?
厚生労働省の令和6年度の調査では、介護福祉士の平均給与額は実務者研修の方より約3万8,000円高くなっています。ただし、これは平均の差です。実際の資格手当の金額は職場によって数千円から数万円まで幅があるので、求人票や就業規則で確認しましょう。
Q. 生活できないなら、介護職を辞めたほうがいいですか?
すぐに辞めると決めなくて大丈夫です。職場を変える、資格を取って役割を変える、介護事務や相談職に移るなど、介護の経験を活かしながら収入や働き方を変える道もあります。私自身も体調を崩して現場を離れ、介護事務に移りました。今の職場で無理を続けるより、選択肢を知ってから決めてほしいです。
介護職からの一歩はあなたのペースで考えて大丈夫

介護職で生活できないと感じると、「自分のがまんが足りないのかな」と思ってしまう方もいるかもしれません。でも実際は、手取りの少なさ、手当頼みの給与、物価の上昇、職場ごとの待遇の差など、いくつもの要因が重なっていることが多いです。
この記事のまとめ
- 生活できないと感じる背景には、手取りの少なさと職場ごとの差がある
- 平均給与額は月33万8,200円でも、毎月の基本給等は約25万円
- 2026年6月の処遇改善は最大月1.9万円。反映されているか明細で確認する
- 資格取得と転職は、収入を上げる現実的な方法
まずは給与明細を見直す、条件の良い求人を見てみるなど、小さな一歩からで大丈夫です。今の職場の条件が低いと感じたら、無料で求人を探してみませんか。
\登録無料・介護職の転職をサポート/
無資格で、まずは資格を取りながら働きたい方は、かいご畑に相談してみるのもおすすめです。
\無資格・未経験からでも相談OK/