「介護職だけれど、正直そこまで出世したくない」と感じていませんか。
私も現場で働いていたころ、役職がつくことよりも、利用者さんのそばでていねいに関わりたい気持ちのほうが強かったです。
この記事では、以下のことがわかります。
この記事でわかること
- 介護職が出世したくないと感じる主な理由
- 出世したくない気持ちは甘えではない理由
- 出世しない働き方のメリットと注意点
- 現場で輝きながらキャリアを作る方法
それでは、詳しく見ていきましょう。
目次
介護職で出世したくないと感じる5つの主な理由

介護職で出世したくないと思うのは、めずらしいことではありません。
このセクションでは、以下のポイントをお伝えします。
- 責任の重さが増える不安
- 負担に見合う給料アップが感じにくいこと
- 利用者さんと離れるさみしさ
- 人間関係や私生活への影響
それでは、順番に見ていきましょう。
責任が一気に重くなるのが不安だから
出世したくないと感じる大きな理由のひとつは、やはり責任の重さです。
介護の管理的な立場になると、利用者さんへのケアだけでなく、事故対応、家族対応、職員配置、シフト調整、クレーム対応まで背負うことが多くなります。
- 利用者さんの安全に関わる判断を求められる
- 職員の欠勤や退職があると調整役になりやすい
- 家族対応や報告書づくりの負担が増えやすい
- 問題が起きたときに矢面に立つ場面が多い
責任を負いたくないのではなく、今の自分に抱えきれる範囲を大切にしたいと思うのは自然な感覚です。
出世しても給料が大きく増えるとは限らないから
役職手当がついても、思ったほど手取りが増えないことは、介護の現場でよくある悩みです。
厚生労働省の令和6年度介護従事者処遇状況等調査では、処遇改善加算を取得している事業所における介護職員(月給・常勤)の平均給与額は338,200円でした。
- 役職がついても夜勤手当が減る場合がある
- 残業や持ち帰り対応が増えて割に合わなく感じやすい
- 責任だけ増えて納得感が持ちにくい
- 法人によって昇進後の処遇差が大きい
もちろん役職で給与が上がる職場もありますが、すべての施設でそうとは限りません。
負担と収入のバランスを考えたときに、「それなら現場のままでいたい」と感じるのは、ごく現実的な判断だと思います。
参考:厚生労働省「令和6年度 介護従事者処遇状況等調査結果」
利用者さんと直接関わる時間が減るのがつらいから
介護職のやりがいは、やはり利用者さんとの関わりにあると感じる方が多いのではないでしょうか。
出世すると、会議、記録確認、実績管理、職員面談などが増え、現場を離れる時間が長くなりやすいです。
- 直接ケアに入る時間が減りやすい
- 利用者さんの小さな変化に気づきにくくなる
- 書類や会議が中心になってしまうことがある
- 介護の仕事の楽しさを感じにくくなる人もいる
現場が好きだからこそ出世を望まないという気持ちは、後ろ向きではなく、介護の仕事にまっすぐ向き合っている証拠でもあります。
人間関係の板ばさみになるのがしんどいから
役職がつくと、現場での人間関係の悩みがぐっと増えることがあります。
上からは結果を求められ、下からは不満や相談が集まり、板ばさみになりやすいのが管理的な立場のつらさです。
- 職員同士のトラブル調整を任されやすい
- 厳しいことを伝える役になりやすい
- 上司と現場の間で気をつかい続ける
- 以前のようにフラットな関係でいにくくなる
介護労働安定センターの介護労働実態調査でも、介護現場では働く上での悩みや不満として、人手不足や賃金面などが上位に挙がっています。
ただでさえ余裕のない現場では、人をまとめる役の心理的な負担が大きくなりやすいです。
ワークライフバランスがくずれそうで心配だから
出世したくない背景には、仕事以外の時間を守りたい気持ちもあります。
役職者になると、休日の電話、急な呼び出し、会議の延長などで、プライベートの時間が削られやすくなります。
- 休日でも連絡が入りやすい
- 残業や早出が増えることがある
- 家族との時間を守りにくくなる
- 心身の回復が追いつかなくなることがある
厚生労働省の2018年版労働経済白書では、役職に就いていない社員・主任級相当のうち、61.1%が「管理職に昇進したいとは思わない」と回答していました。
その理由として、責任が重くなる、長時間労働になるといった不安が上位に挙がっており、出世に慎重な感覚は介護職だけに限った話ではありません。
参考:厚生労働省「2018年版 労働経済の分析 第2-(3)-27図」
介護職で出世したくないのは甘えではない

出世したくない気持ちを持つと、「自分は向上心がないのかな」と責めてしまうことがあります。
このセクションでは、以下のポイントをお伝えします。
- 価値観の違いとして考えてよいこと
- 現場志向の働き方にも十分な価値があること
- 避けたいのは思考停止だけだということ
それでは、順番に見ていきましょう。
出世より現場を大切にしたい人がいて当然です
出世したくないのは、やる気がないからとは限りません。
介護の仕事では、役職につくことだけが成長ではなく、現場で信頼される介護職として長く働くことにも大きな価値があります。
- 利用者さんへの関わりを深めたい人
- ていねいなケアを続けたい人
- 家庭や自分の生活も大切にしたい人
- 管理業務より現場業務に向いている人
介護の現場は、役職者だけで回っているわけではありません。
経験があり、気づきがあり、利用者さんに安心感を与えられる現場の中心人材こそ、職場にとって本当に大切な存在です。
ただし何も考えず断り続けるのは注意が必要です
一方で、ただ「責任は取りたくないです」とだけ考えてしまうと、この先の働き方が苦しくなることもあります。
大切なのは、なぜ出世したくないのか、その代わりにどんな働き方をしたいのかを言葉にしておくことです。
- 体力を優先したいのか
- 家庭との両立を重視したいのか
- 現場の専門性を高めたいのか
- 今の職場の役職だけが合わないのか
理由が見えてくると、断るにしても前向きに伝えやすくなります。
出世をしないことと、キャリアをあきらめることは別だと考えておくと、気持ちがかなり楽になります。
介護職で出世しない働き方のメリットとデメリット

出世しない選択には、よい面もあれば注意したい面もあります。
このセクションでは、以下のポイントをお伝えします。
- 現場に残るメリット
- 見落としやすいデメリット
- 向いている人の特徴
それでは、順番に見ていきましょう。
出世しないメリットは現場のやりがいを守りやすいことです
現場で働き続けることには、たしかなメリットがあります。
とくに、利用者さんとの距離感や、自分の生活とのバランスを大事にしたい方には、出世しない働き方が合っていることも多いです。
- 利用者さんと直接関われる時間を保ちやすい
- 管理業務によるストレスを減らしやすい
- 休日や退勤後の時間を守りやすい
- 介護そのものの楽しさを感じやすい
私もケアマネや事務の仕事を経験したからこそ感じますが、現場でしか得られない手ごたえは本当に大きいです。
出世しない選択は、今の自分に合った働き方を選ぶひとつの方法だと言えます。
収入や将来の選択肢が狭くなることもあります
一方で、デメリットを知らずに選ぶのはおすすめできません。
収入の上限やキャリアの広がりという面では、役職経験がある人のほうが有利になる場面もあります。
| 項目 | 出世しない場合に起こりやすいこと |
|---|---|
| 収入 | 役職手当がつかず、大きな伸びが出にくい |
| 転職 | マネジメント経験を求める求人には応募しにくい |
| 評価 | 職場によっては昇進辞退が消極的に見られることがある |
| 年齢 | 体力勝負の働き方を長く続けにくくなる場合がある |
だからこそ、ただ現状維持するのではなく、現場の専門性や別の強みを育てておくことが大切です。
「出世はしないけれど、この分野なら任せられる」と言えるものがあると、将来の不安がかなり減っていきます。
介護職で出世を打診されたときの上手な伝え方

出世したくない気持ちがあっても、断り方に迷う方は多いです。
このセクションでは、以下のポイントをお伝えします。
- 角が立ちにくい伝え方
- 言わないほうがよい表現
- いったん保留するときの考え方
それでは、順番に見ていきましょう。
断るときは前向きな理由に言いかえるのがコツです
役職の打診を断るときは、「やりたくありません」とだけ伝えるより、今の自分が大切にしたい働き方を添えるほうが伝わりやすいです。
現場で貢献したい意思が伝われば、単なる拒否ではなく、ひとつのキャリア選択として受け取ってもらいやすくなります。
- 現場でのケアの質を高めたいと伝える
- 後輩指導や利用者対応で貢献したいと話す
- 家庭事情や体力面は必要な範囲で正直に伝える
- 将来の可能性を完全に閉じない言い方をする
たとえば、「今は現場での関わりを深めたいと考えています」「まずは専門性を高めて貢献したいです」といった伝え方なら、印象がやわらぎます。
出世を断るときほど、職場への貢献姿勢をセットで見せることが大切です。
今の職場そのものがつらいなら転職も選択肢です
もし出世したくない理由が、役職そのものよりも職場環境の悪さにあるなら、話は少し変わってきます。
人手不足がひどい、役職者だけが疲弊している、断ると圧をかけられるような職場なら、その環境に無理して合わせ続けなくても大丈夫です。
- 役職者の働き方が明らかに過酷
- 断った人への風当たりが強い
- 現場職にも余裕がなく離職が続いている
- 将来像をまったく描けない
そういうときは、今の職場でがんばることだけが正解ではありません。
自分に合う職場に移るだけで、「出世はしたくないけれど介護は続けたい」という気持ちが前向きに変わることもあります。
出世しなくても現場で輝ける介護職の働き方

出世しないと決めても、成長の道がなくなるわけではありません。
このセクションでは、以下のポイントをお伝えします。
- 専門性を高める方法
- 現場での信頼を積み上げる方法
- 将来の不安を減らす準備
それでは、順番に見ていきましょう。
資格や得意分野を持つと現場での価値が高まります
出世しない代わりに、専門性を深めるという道があります。
介護福祉士、実務者研修、認知症ケア、レクリエーション、看取りケアなど、自分の得意分野を育てることで、役職がなくても頼られる存在になれます。
- 認知症ケアの知識を深める
- 介護福祉士や関連資格の取得を目指す
- 移乗やポジショニングなど現場技術を磨く
- 記録や家族説明をていねいに行う
とくに介護現場では、「この人に相談したい」と思われる強みがあると、役職とは別の形で評価されやすいです。
現場のスペシャリストを目指す意識は、長く介護を続けるうえでとても心強い土台になります。
後輩指導やチーム貢献でも十分にキャリアは作れます
役職につかなくても、職場でできる貢献はたくさんあります。
新人さんのフォロー、実習生への声かけ、記録の整え方の共有など、チームを支える動きは現場でとても重宝されます。
- 新人さんが相談しやすい雰囲気を作る
- ケアの手順をわかりやすく共有する
- ヒヤリハットの気づきを伝える
- 多職種との連携をていねいに行う
私も、肩書きがなくても現場を支えている先輩方に何度も助けられてきました。
役職がない=価値が低いではなく、信頼される現場職であること自体が大きなキャリアです。
迷いが強いときはひとりで抱え込まないのがおすすめです
「本当にこのままでいいのかな」と迷う時期は、どうしてもあります。
そんなときは、転職するかどうかをすぐ決めなくてもいいので、まずは自分の働き方の軸を整理してみてください。
- 何がつらいのかを書き出してみる
- 今後も介護を続けたいか考える
- 現場職のままで伸ばしたい強みを決める
- 外部に相談して視野を広げる
自分の中だけで考えていると、「出世するか辞めるか」の二択になりがちです。
でも実際には、職場を変える、資格を取る、働き方を見直すなど、その間にたくさんの選択肢があります。
自分のキャリアをじっくり考えたい方は、コーチングを活用するのもひとつの方法です。
\オンラインで気軽にできるキャリア相談サービス/
自分に合う働き方から整えていきましょう

介護職で出世したくないと思うのは、決しておかしなことではありません。
私も現場で働いていたからこそ、役職よりも、利用者さんの近くでていねいに関わりたい気持ちがよくわかります。
この記事のまとめ
- 介護職が出世したくないのは責任や負担の大きさが理由になりやすいです
- 出世したくない気持ちは甘えではなく価値観の違いとして考えて大丈夫です
- 出世しないなら現場での専門性や強みを育てることが大切です
- 今の職場が苦しいなら環境を変える選択も前向きな一歩です
今の職場で働き方に悩んでいるなら、まずは相談だけでもしてみませんか。
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