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重度訪問介護の実態とは?大変だからこそ得られるやりがいと対処法

2025年6月26日

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「重度訪問介護の実態とは?大変だからこそ得られるやりがいと対処法」のアイキャッチ。リクライニングの車椅子の写真

重度訪問介護の仕事は確かに大変です。

身体的にも精神的にも負担が大きく、「この仕事を続けられるだろうか」と悩む方も多いでしょう。

私も元介護職として、さまざまな介護現場で働いた経験があります。重度訪問介護に携わる同僚や後輩たちから聞く話では、毎日が試練の連続だと言います。しかし、適切な知識と心構えがあれば、必ず乗り越えることができるはずです!

この記事では、重度訪問介護の大変さの実情から、具体的な対処法まで詳しく解説します。現在お悩みの方、これから重度訪問介護に従事される方の参考になれば幸いです。

重度訪問介護とはどんな仕事?

重度訪問介護がどのような仕事なのか、まずは基本的な内容から説明していきます。

重度訪問介護の定義

重度訪問介護とは、重度の肢体不自由者や知的障害精神障害を持つ方の自宅を訪問し、身体介護や家事援助、見守りなどの包括的なサービスを提供する障害福祉サービスです。

利用者様が住み慣れた自宅で安心して生活できるよう、長時間にわたって支援を行います。

重度訪問介護の対象者

重度訪問介護のサービスを利用できるのは、障害支援区分が4以上で、以下のいずれかに該当する方です。

障害の種類対象となる状態主な疾患例
重度の肢体不自由・二肢以上に麻痺等がある
・歩行、移乗、排尿、排便のすべてに支援が必要
筋ジストロフィー、脊髄損傷、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、脳性麻痺、重症心身障害
重度の知的障害・精神障害・行動関連項目の合計点数が10点以上
・行動上著しい困難があり常時介護が必要
強度行動障害、重度知的障害、統合失調症、双極性障害、高次脳機能障害など

具体的には、寝たきりの状態にある方、車椅子を使用しても移動に介助が必要な方、強度行動障害により危険行動がある方、精神的な症状により日常生活に支障をきたしている方などが利用されています。

これらの方々が、施設ではなく自宅で安心して生活を続けられるよう支援するのが重度訪問介護の役割です。

主な業務内容

重度訪問介護の業務は多岐にわたります。食事介助、入浴介助、排泄介助といった身体介護はもちろん、調理や掃除などの家事援助、さらには外出時の付き添いや見守りも重要な業務です。

利用者様の状態によっては、研修を受けた介護職員が医療的ケアを行う場合もあります。

他の介護サービスとの違い

一般的な訪問介護と比べて、重度訪問介護の最大の特徴は長時間のサービス提供です。一般的な訪問介護が1回あたり30分から1時間程度のサービスであるのに対し、重度訪問介護では利用者様の状態や必要性に応じて、数時間から24時間連続まで、利用者様のそばで継続的な支援を行います。

また、対象となる方の障害の程度がより重度であることも大きな違いです。重度訪問介護を利用される方は、重度の肢体不自由や知的障害、精神障害により、常時介護を必要とする状態にあります。

介護者には高度な専門知識と技術、そして強い責任感が求められます。

重度訪問介護が大変な理由とは

重度訪問介護が大変と言われる理由は、主に以下の点にあります。

身体的負担の大きさ

重度の障害を持つ若い方を対象とするため、利用者様の身体介護が中心となり、移乗介助や体位変換など、介護者の身体に大きな負担がかかります。特に長時間の勤務では、腰痛や肩こりなどの職業病に悩まされることも少なくありません。

精神的プレッシャー

重度の障害を持つ利用者様の命を預かる責任の重さは、想像以上のプレッシャーです。些細なミスが大きな事故につながる可能性もあり、常に緊張感を持って業務に当たる必要があります。

また、身体的には重度の障害がありながらも認知面では問題がない方が多く、介護方法について細かな指示をされることも少なくありません。自分なりのやり方やこだわりを持つ利用者様に対応するため、精神的な負担が大きくなることもあります。

夜勤を含む長時間労働の実態

重度訪問介護は24時間体制のサービスで、利用者様の生活リズムに合わせた支援をするため、夜勤や長時間勤務が避けられません。

生活リズムが不規則になりがちで、体調管理が難しいのも大変な理由の一つです。

一人での対応による孤立感と責任

重度訪問介護は訪問サービスのため、基本的には一人で利用者様の支援に当たることになります。施設のように同僚がそばにいる環境とは異なり、困ったことがあってもすぐに相談できる相手がいないため、孤立感を感じやすい職場環境です。

また、緊急時の判断もすべて一人で行う必要があり、「この対応で正しいのか」「救急車を呼ぶべきか」といった重要な判断を迫られる場面も少なくありません。

特に

夜間や休日など、医療機関や関係者との連絡が取りにくい時間帯の緊急事態では、大きなプレッシャーを感じることになります。

重度訪問介護の大変さを軽減する方法

重度訪問介護の大変さは避けられませんが、適切な知識と方法で負担を軽減することができます。

正しい介護技術の習得

重度訪問介護の身体的負担を軽減するには、正しい介護技術の習得が不可欠です。

無理な力を使わず、体の使い方を工夫するボディメカニクスを活用することで負担を大幅に軽減できます。膝を曲げて腰を落とし、利用者様に近づいてから介助することで、腰への負担を最小限に抑えられます。

また、スライディングボードやリフトなどの福祉用具を積極的に使用することも重要です。これらの道具を使うことで、介護者の負担を大きく軽減でき、利用者様にとってもより安全で快適な介護を提供できます。

専門知識の向上

重度訪問介護に関する専門知識を深めることで、自信を持って業務に取り組めるようになります。研修会への参加や専門書の読書など、継続的な学習を心がけましょう。

知識が増えることで、さまざまな場面での適切な判断ができるようになり、精神的な不安も軽減されます。

職場での連携とコミュニケーション

一人で抱え込まず、同僚や上司と情報を共有し、相談できる環境を作ることが大切です。困ったことがあれば、遠慮なく相談しましょう。

経験豊富な先輩からのアドバイスは、必ず役に立ちます。

訪問サービスで孤立しがちな環境だからこそ、チーム内での連携が重要になります!

心身のセルフケア

勤務前後のストレッチや、日常的な筋力トレーニングを習慣化することで、身体的負担に耐えられる体作りができます。特に体幹の筋肉を鍛えることが重要です。

また、仕事とプライベートのメリハリをつけることも大切で、休日は仕事のことを忘れて、趣味や家族との時間を大切にしましょう。

心身のリフレッシュが、翌日の業務への活力につながります。

重度訪問介護のやりがいを再発見する

重度訪問介護は大変な仕事ですが、同時に大きなやりがいもあります。

利用者様の笑顔が最大の報酬

利用者様やご家族からの「ありがとう」の言葉や笑顔は、どんな辛さも忘れさせてくれます。重度の障害を持つ方々の生活を支えることで、その人らしい人生を送るお手伝いができるのです。

利用者様が自宅で安心して過ごせる時間を作り出せたとき、小さな変化や成長を感じられたときの喜びは、他の仕事では味わえない特別なものです。

また、ご家族にとっても介護負担が軽減されることで、家族としての時間を大切にできるようになります。

専門性の高いスキルの習得

重度訪問介護で培った技術や知識は、介護業界のどこでも通用する貴重なスキルです。困難な状況を乗り越えることで、確実に成長していることを実感できるでしょう。

重度の障害を持つ方への介護技術は高度なものが求められるため、この経験を積むことで介護職としての専門性が大幅に向上します。

また、一人でさまざまな判断を迫られる環境で培われる問題解決能力臨機応変な対応力は、どの職場でも重宝される能力です。

社会貢献への実感

重度訪問介護は、社会にとって不可欠なサービスです。この仕事を通じて、確実に社会に貢献していることを実感できます。

重度の障害を持つ方が施設ではなく自宅で生活を続けられるのは、重度訪問介護があってこそです。一人のご利用者様を支えることで、その方の人生の質を向上させ地域社会全体の福祉向上にも貢献しています。

社会的意義の高い仕事に携わっているという誇りと責任感は、日々の業務への大きなモチベーションとなります。

重度訪問介護で充実したキャリアを築くために

重度訪問介護は確かに大変な仕事ですが、適切な知識と技術、そして心構えがあれば必ず乗り越えることができます。

身体的負担の軽減、精神的ストレスの管理、効率的な業務の進め方など、この記事でお伝えした内容を実践していただければ、きっと今よりも楽に、そして充実した気持ちで仕事に取り組めるはずです。

何より大切なのは、一人で抱え込まないことです。困ったときは周りの人に相談し、助け合いながら業務を進めていきましょう。

重度訪問介護の仕事は大変ですが、それ以上に大きなやりがいと成長があります。皆さんが長く、充実した介護職人生を送れることを心から願っています。

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