介護職に興味があるけれど、「資格がないと働けないのでは?」と思っている方は多いのではないでしょうか。実は、介護職は資格なしでも始められる職種なのです。

今回は、資格なしでも介護職として働ける仕事内容について、元介護職の私が詳しくお伝えします!
これから介護の世界に足を踏み入れようと考えている方の参考になれば幸いです。
介護職は資格なしでも働ける理由
介護業界は慢性的な人手不足に悩まされており、多くの施設や事業所で人材を求めています。そのため、未経験者や無資格者でも積極的に採用している職場が数多く存在します。
介護職の入り口として、資格がなくても従事できる業務が定められているため、まずは現場で経験を積みながら、必要に応じて資格取得を目指すことができるのです。
働きながら介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修などの資格を取得する方も多く、キャリアアップの道筋も明確に示されています。
資格なしでできる具体的な仕事内容
資格がなくても介護職として働ける業務は多岐にわたります。訪問介護と施設系サービスでは業務内容が異なりますが、どちらも利用者の生活を支える重要な役割を担っています。
ここでは、具体的にどのような仕事ができるのかを詳しく見ていきましょう。
訪問介護での生活援助業務
資格なしでも従事できる主な業務として、訪問介護における生活援助業務があります。利用者の自宅を訪問し、掃除や洗濯、調理、買い物代行、薬の受け取りなどの家事全般をサポートします。
訪問介護は、利用者が住み慣れた自宅で安心して生活を続けられるよう、一人ひとりのニーズに応じた個別のサービスを提供するお仕事です。これらの業務は利用者の自立した生活を支える重要な役割を果たしています。
施設での環境整備と生活支援業務
施設系サービスでは、利用者が快適に過ごせる環境を維持するための清掃や環境整備業務を担当します。具体的には、共用部分(廊下、食堂、談話室など)の清掃、トイレや浴室の清掃、ベッドメイキング、共用リネンの管理などが該当します。
また、食事の準備や配膳、下膳、厨房での調理補助や食器洗い、配膳車の準備なども含まれます。利用者が快適に食事を楽しめるよう、食堂の清潔な環境維持や食事提供のサポートを行います。
感染症予防の観点からも非常に重要な業務で、利用者が安心して過ごせる環境づくりに直接貢献できる仕事です。細かな配慮と丁寧な作業が求められ、施設全体の衛生管理を支える重要な役割を担っています。
有資格者の指導の下での身体介護補助
施設内においては、有資格者の指導や見守りの下で、一部の身体介護業務に補助的に携わることが可能です。具体的には、食事介助の補助、移動時の見守り、車椅子での移動介助などがあります。
入浴介助では、衣類の準備や整理、利用者の見守り、有資格者のサポートなどを行います。排泄介助についても、有資格者の指示に従って物品の準備や環境整備を担当することがあります。
これらの業務は、常に有資格者と連携して行うことが重要です。利用者の安全を最優先に考えながら業務に取り組まなければなりません。現場での実践的な経験を積むことで、将来の資格取得に向けた基礎知識も身につけることができます。
レクリエーション活動の企画・実施
多くの介護施設では、利用者の生活の質を向上させるためにレクリエーション活動を実施しています。無資格者でも、これらの活動の企画や準備、進行を行うことが可能です。
季節の行事や誕生日会、音楽療法、園芸活動、手工芸などを通じて、利用者との交流を深めることができます。自分の特技や趣味を活かせる場面も多く、やりがいを感じられる業務の一つです。
送迎業務とコミュニケーション
デイサービスなどでは、利用者の送迎業務も重要な仕事の一つです。普通自動車免許があれば従事でき、利用者との大切なコミュニケーションの時間にもなります。
車内での会話を通じて利用者の体調や気分を把握し、施設での過ごし方に活かすことができます。安全運転はもちろん、利用者に安心感を与える接客スキルも求められます。
働ける職場の種類と特徴
資格なしでも働ける介護の職場は多種多様で、ここで紹介する以外にもさまざまな選択肢があります。それぞれの職場には独自の特徴があり、働き方や業務内容も異なります。
事業所によっては有資格者のみを採用している場合もあるため、応募前に採用条件を確認することが大切です。自分に合った職場を見つけるために、主要な職場の種類とその特徴を確認しておきましょう。

事業所によっては有資格者のみを採用している場合もあるため、応募前に採用条件を確認してくださいね!
特別養護老人ホーム
特別養護老人ホームでは、要介護度の高い利用者が多く、24時間体制でのケアが必要です。無資格者は主に生活支援業務を担当し、有資格者と連携しながら業務を行います。
研修制度が充実している施設が多く、働きながらスキルアップを図ることができます。また、正職員として採用される可能性も高く、安定した雇用を求める方におすすめです。
デイサービス
デイサービスは日中のみの営業で、比較的働きやすい環境が整っています。利用者とのコミュニケーションを重視する職場が多く、人と接することが好きな方に向いています。
レクリエーション活動が充実している施設では、自分の趣味や特技を活かせる場面も多く、やりがいを感じながら働くことができます。
訪問介護事業所
訪問介護では、利用者の自宅を訪問してサービスを提供します。無資格者は主に生活援助サービスを担当し、掃除や洗濯、買い物などの家事支援を行います。
一対一でのサービス提供となるため、利用者との信頼関係を築きやすく、個別のニーズに応じたきめ細やかなサポートが可能です。
資格なしで働く際の注意点と対策
資格なしでも介護職として働けますが、知っておくべき重要なポイントがいくつかあります。
法律で定められた義務や業務範囲を正しく理解し、適切に対応することで、安心して介護の仕事に取り組むことができます。
認知症介護基礎研修の受講義務
2024年4月から、認知症介護基礎研修の受講が義務化されました。無資格で介護職に従事する方は、この研修を受講していないとほとんどの介護事業所で働くことができません。
新たに入職する職員は、入職後1年以内に受講する必要があります。この研修は認知症ケアの基礎知識と技術を身につけるための重要な研修で、eラーニングの場合は約150分の動画視聴と確認テストで修了できます。
すでに介護職員初任者研修や医療・福祉系の国家資格を持っている方は受講が免除されますが、無資格の方は必ず受講しなければなりません。研修費用は無料から5,000円程度で、自宅のパソコンで受講できるため働きながらでも取り組みやすい内容です。
できる業務の範囲を理解する
無資格者は身体介護業務に従事することができません。入浴介助や排泄介助、移乗介助などは有資格者が行う業務となります。
自分ができる業務の範囲を正しく理解し、適切な役割分担で業務を進めることが重要です。分からないことがあれば、遠慮なく先輩職員に相談しましょう。
継続的な学習の重要性
資格がなくても働けるとはいえ、利用者の安全と尊厳を守るために必要な知識は身につける必要があります。職場の研修に積極的に参加し、専門書を読むなど、継続的な学習を心がけましょう。
また、将来的な資格取得を見据えて、計画的にスキルアップを図ることも大切です。
積極的な資格取得への挑戦
無資格で働き始めた後は、ぜひ資格取得にも挑戦することをおすすめします。最初の資格として、介護職員初任者研修または実務者研修のどちらから始めても構いません。
初任者研修は約1ヶ月で取得でき費用も抑えられる一方、実務者研修は医療的ケアも含むより幅広い知識が身につきます。
どちらの資格を取得した後も、最終的には介護福祉士へとステップアップしていくことで、専門性が高まり給与アップも期待できます。資格を取得することで、身体介護業務にも従事できるようになり、仕事の幅が大きく広がります。
多くの職場では資格取得支援制度を設けており、受講料の補助や勤務時間の調整などのサポートを受けることができます。働きながら無理なく資格取得を目指せる環境が整っているので、積極的に活用しましょう。

将来的に介護福祉士を目指すなら、取得が必須要件でもある実務者研修の受講がおすすめです。
ステップアップを目指す人はぜひ検討してみてください!
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介護職への第一歩を踏み出そう
介護職は資格なしでも始められる職種であり、多くの仕事内容で活躍することができます。生活支援業務やレクリエーションサポート、見守り業務など、利用者の生活を支える重要な役割を担うことができます。
まずは現場で経験を積みながら、自分に合った働き方を見つけてみてください。そして、将来的には資格取得を目指して、より専門性の高い介護職としてキャリアを築いていくことをおすすめします。
介護の仕事は確かに大変な面もありますが、利用者の笑顔や感謝の言葉に支えられ、大きなやりがいを感じることができる素晴らしい職業です。一歩を踏み出す勇気を持って、介護の世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか。