「中卒だと介護職はむずかしい?」「資格って中卒でも取れるの?」と不安になりますよね。
結論からお伝えすると、中卒でも介護職として働けますし、初任者研修・実務者研修・介護福祉士といった介護の資格は、どれも学歴を問われません。
私は20代前半で介護の仕事を始め、特養と有料老人ホームで17年間現場に立ち、その後ケアマネジャーとして働きました。現場では、学歴に関係なく、資格と経験をひとつずつ積み重ねて頼られる存在になっていった仲間をたくさん見てきました。
この記事では、以下のことがわかります。
この記事でわかること
- 中卒でも取れる介護の資格と、介護福祉士までのルート
- 資格の費用を0円〜安く抑える4つの方法
- 18歳未満で働くときの注意点と、求人票の見方
- 未経験から伸びる人の共通点と、続けやすい職場の選び方
それでは、詳しく見ていきましょう。
中卒でも介護職になれる?介護の資格はすべて学歴不問

介護の仕事は、学歴よりも「どんな資格を持ち、どれだけ経験を積んだか」で評価される世界です。まずは、中卒の方が最初に知っておきたいポイントを3つ整理します。
- 介護の資格に学歴の条件はない
- 求人の「高卒以上」には注意する
- 介護業界は未経験の人を育てる必要がある
介護の資格に学歴の条件はない
介護の入口から国家資格まで、主な資格の受講・受験の条件をまとめると次のとおりです。
| 資格 | 受講・受験の条件 | 学歴 |
|---|---|---|
| 介護に関する入門的研修 | なし(自治体などが実施) | 不問 |
| 介護職員初任者研修 | なし(130時間の研修) | 不問 |
| 実務者研修 | なし(無資格からも受講できる。450時間、初任者研修修了者は一部免除) | 不問 |
| 介護福祉士(国家資格) | 実務経験3年以上+実務者研修修了(実務経験ルート) | 不問 |
介護福祉士の受験資格について、社会福祉振興・試験センターは「国籍、性別、年齢、学歴等の制約はありません」と明記しています。
初任者研修・実務者研修などの介護員養成研修については、厚生労働省「介護職員・介護支援専門員」で案内されています。つまり中卒の方も、研修と実務経験を積み上げれば、国家資格まで同じ道を進めるということです。
求人の「高卒以上」には注意する
一方で、資格は学歴不問でも、求人は職場ごとに条件がちがいます。
- 法人によっては、正社員の応募条件に「高卒以上」と書いていることがある
- 「学歴不問」「無資格OK」の求人は、パート・契約社員から始まる場合も多い
- 資格を取ると「学歴不問・有資格者優遇」の求人に応募しやすくなる
学歴で応募先がしぼられることがあるからこそ、資格と経験で選ばれる状態を目指すのが、中卒から介護職を続けるいちばんの近道です。
介護業界は未経験の人を育てる必要がある
厚生労働省は、介護職員が2026年度に約240万人、2040年度に約272万人必要になると公表しています。
出典:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」
人手が足りない業界だからこそ、未経験の人を受け入れて育てる職場が多く、資格取得を支援する仕組みも増えています。中卒であることは、介護の世界では「入れない理由」にはなりません。
中卒から介護福祉士までの資格ルート(最短3年)

中卒から国家資格の介護福祉士までは、「働きながら研修を受け、3年の実務経験を積む」という道で目指せます。いつ、何をすればいいのかを順番に見ていきましょう。
| 時期 | やること | ポイント |
|---|---|---|
| 働く前〜1年目 | 初任者研修(または入門的研修) | 介護の基礎を学び、応募できる求人を増やす |
| 1〜3年目 | 現場経験を積みながら実務者研修を受講 | 実務者研修は受験までに修了していればよい |
| 3年目 | 実務経験の要件を満たす | 従業期間3年(1,095日)以上・従事日数540日以上 |
| 毎年1月 | 介護福祉士国家試験 | パート合格制度あり。見込みでも受験申込ができる |
ステップ1:初任者研修で介護の基礎を学ぶ
未経験で不安が強いなら、まずは介護職員初任者研修から始めると動きやすくなります。130時間の研修で、介護の考え方や声のかけ方、食事・排せつ・移動などの身体介護の基本を学びます。
- 履歴書に書けるので、無資格より応募できる求人が増えやすい
- 訪問介護(ホームヘルパー)として働くには、初任者研修以上が必要
- 先に入職して、職場の支援で受講する方法もある
「いきなり研修はハードルが高い」と感じる方は、自治体などが行う介護に関する入門的研修で雰囲気を知ってから進む方法もあります。詳しくは厚生労働省「介護人材確保に向けた取組について」をご確認ください。
ステップ2:実務者研修で受験資格の準備をする
介護福祉士を実務経験ルートで受験するには、実務者研修の修了が必要です。実務者研修は無資格からでも受講でき、初任者研修を持っていれば一部の科目が免除されます。
- たんの吸引や経管栄養など、医療的ケアの基礎も学ぶ
- 修了すると、訪問介護のサービス提供責任者になれる道もひらける
- 受講期間は数か月かかるので、受験したい年から逆算して申し込む
実務者研修の受講料は、次の章で紹介する貸付制度や職場の支援を使うと、自己負担を大きく減らせます。
ステップ3:実務経験3年で介護福祉士を受験する
社会福祉振興・試験センターの案内では、実務経験ルートで受験するには従業期間3年(1,095日)以上と従事日数540日以上の両方を満たす必要があります。試験の年度の3月31日までに満たす見込みがあれば、「実務経験見込み」で申し込めます。
また、2026年1月の第38回試験からは、科目をA・B・Cの3パートに分けて合否を判定するパート合格制度が始まりました。働きながら勉強する方にとっては、少しずつ合格を積み重ねられる仕組みです。
なお、第39回試験(2027年1月31日実施)の受験申込は2026年9月2日で締め切られています。これから準備する方は、次の第40回試験に向けて、実務経験と実務者研修の計画を立てておきましょう(2026年10月12日に試験センターの第39回試験のページで確認)。
私が介護福祉士を取った2004年ごろは、実務者研修の修了は受験の条件ではなく、現場で3年働きながら勉強して試験を受けました。今は実務者研修が必要になったぶん、早めに計画を立てる人ほどスムーズに合格までたどり着いています。
その先:ケアマネジャーや管理職への道もある
介護福祉士として5年以上(900日以上)働くと、ケアマネジャー(介護支援専門員)の試験を受けられるようになります。ここでも学歴は問われません。
私も介護福祉士を取ったあと、ケアマネジャーになりました。中卒からでも、資格を順番に積み上げれば同じ道を歩めますよ。
資格の費用を0円〜安く抑える4つの方法
研修の受講料は決して安くありませんが、働きながら0円で資格を取れる仕組みや、公的な支援を使えば自己負担をぐっと減らせます。若いうちは貯金が少ない方も多いので、自分に合う方法を選んでください。
- 働きながら0円で資格が取れる「かいご畑」を使う
- 職場の資格取得支援を使う
- ハロートレーニング(公的職業訓練)を使う
- 実務者研修の受講資金貸付を使う
方法1:働きながら0円で資格が取れる「かいご畑」を使う
無資格・未経験から始めるなら、まず知っておきたいのがかいご畑です。厚生労働大臣の許可を受けた介護の就職支援サービスで、公式サイトのよくある質問では、かいご畑で仕事が決まれば、自社で運営する介護教室で無料で介護資格が取れると案内されています(2026年10月12日にかいご畑公式サイトで確認)。
- 働きながら0円で資格を取れる「キャリアアップ応援制度」がある
- 無資格・未経験OKの求人が多く集まっている
- 介護資格を持つコーディネーターが専任で相談にのってくれる
- 対象の資格や働き方、地域などの細かい条件は、登録時に担当者へ確認する
「お金をかけずに資格を取りたい」「どの職場なら教えてもらえるかわからない」という中卒・未経験の方には、いちばん始めやすい選択肢です。
\無資格・未経験からでも相談OK/
方法2:職場の資格取得支援を使う
求人票に「資格取得支援あり」「受講費用補助」と書かれている職場なら、働きながら研修費用を出してもらえることがあります。
- 全額補助か一部補助か
- 「〇年以内に辞めたら返金」などの条件がないか
- 研修の日を勤務扱いにしてもらえるか、シフトを調整してもらえるか
私が働いていた施設でも、職場の補助で実務者研修を受けた後輩がいました。ただ、返金の条件を知らずに辞めて困った人もいたので、面接や入職前に必ず確認しておきましょう。
方法3:ハロートレーニング(公的職業訓練)を使う
今は仕事をしていない方なら、国の職業訓練であるハロートレーニングも選択肢です。介護分野のコースでは、初任者研修の修了を目指せるものがあります。
- 受講料は原則無料(テキスト代などは自己負担)
- ハローワークで求職の申し込みをしてから応募する
- 一定の要件を満たすと、受講中に給付金や手当を受けられる場合がある
募集時期や開講場所は地域によってちがうので、お近くのハローワークで確認してください。制度の概要は厚生労働省「ハロートレーニングについて知る」で確認できます。
方法4:実務者研修の受講資金貸付を使う
実務者研修には、都道府県の社会福祉協議会などが行う受講資金の貸付制度があります。多くの都道府県で上限20万円以内となっており、介護福祉士に登録したあと、その都道府県で2年間介護の仕事を続けると返還が免除されます(神奈川県、広島県の案内より)。
申し込みの時期や、研修施設の推薦が必要かどうかは都道府県によってちがいます。お住まいの都道府県の福祉人材センター(社会福祉協議会)に問い合わせてみてください。
寄り道もあり:3日で修了できる重度訪問介護の研修
「まずは短い期間で何かひとつ資格を取りたい」という方には、重度訪問介護従業者養成研修という選択肢もあります。重い障害のある方の自宅で、長い時間そばにいて生活を支える「重度訪問介護」の仕事に就くための研修です。
- ユースタイルカレッジの統合課程は、講義2日と実習1日の3日間で修了できる日程が組まれている
- たんの吸引などの医療的ケアの基本研修も含まれる
- 障害福祉の重度訪問介護で使う資格なので、高齢者施設の求人では初任者研修のかわりにならない場合がある
日程は、ユースタイルカレッジが自治体に届け出た学則(WAM NET掲載)で確認しました。受講料や最新の開講日は、公式サイトで確認してください。仕事の内容やきつさについては、重度訪問介護の記事でくわしく書いています。
\最短3日で修了できる研修/
中卒で介護職に就くメリット

中卒から介護職に入ることには、不安だけでなく、早くから経験を積めるという強みもあります。ここでは、現場で見てきた中卒スタートならではのメリットを3つお伝えします。
若いうちから実務経験を積める
介護福祉士の受験に必要な「3年の実務経験」は、早く働き始めた人ほど早く満たせます。10代で働き始めれば、20代前半で国家資格を持つことも十分に可能です。
早く始めることは、それだけでキャリアの貯金になります。
人柄や対人力がそのまま評価につながる
介護職は、テストの点数よりも相手を思いやる力が仕事の質に直結します。利用者さんへのやさしい声かけ、ご家族への誠実な対応、気づいたことをすぐ報告する習慣は、学歴では測れない強みです。
あなたがこれまでの生活の中で身につけてきた気づかいや粘り強さも、介護の現場では十分に武器になります。
資格を取るたびに給料と選べる仕事が増える
介護の世界では、資格が上がるほど資格手当がつきやすく、任される役割も広がります。介護福祉士を持っていれば、リーダーやサービス提供責任者、将来のケアマネジャーへと道が続いていきます。
学歴は変えられなくても、資格はこれから自分の力で増やせます。それが、中卒の方にとって介護職をおすすめできるいちばんの理由です。
中卒で介護職を目指すときの注意点と求人の見方

介護職は挑戦しやすい一方で、職場選びをまちがえると「思っていたのと違った」と感じやすい仕事でもあります。特に10代の方は、年齢によって働き方に決まりがあるので注意してください。
18歳未満は夜勤ができない
労働基準法(第61条)では、満18歳未満の人を午後10時〜午前5時に働かせることは原則として禁止されています。
- 18歳になるまでは、デイサービスなど日勤中心の職場が現実的
- 入所施設でも、日勤だけのシフトを組んでもらえるか面接で確認する
- 18歳未満の採用経験がない職場もあるので、応募前に相談しておく
日勤中心で働ける職場の雰囲気は、リハビリ特化型デイサービスの記事も参考にしてください。
教育体制が弱い職場は避ける
未経験で入るなら、いちばん大事なのは教育体制です。「未経験歓迎」という言葉だけで決めると、入職後に「思っていたより教えてもらえない」と感じることがあります。
私も現場にいたとき、同じ未経験スタートでも、教え方がていねいな職場では伸び方がまったく違うと感じていました。
体力面と気持ちの負担を知っておく
移乗介助(ベッドや車いすへの移動を支える介助)や入浴介助など、体を使う場面が多いのは事実です。認知症の方への対応では、相手の不安に寄り添う落ち着いた関わり方も求められます。
特に最初のうちは、うまくできない自分に落ち込むこともありますよね。
でも、それは向いていないからではなく、慣れていないだけのことがほとんどです。だからこそ、相談できる先輩がいる職場を選ぶことが本当に大切です。
求人票で確認したい5つのポイント
| 確認する項目 | 見るポイント |
|---|---|
| 応募条件 | 「学歴不問」か「高卒以上」か。雇用形態(正社員・契約・パート) |
| 教育体制 | 新人研修の流れ、先輩がつく期間(OJT)の長さ |
| 資格取得支援 | 補助の金額、返金の条件、研修日のシフト調整 |
| 夜勤 | 夜勤の有無と回数。18歳未満なら日勤のみで働けるか |
| 資格手当・昇給 | 初任者研修・実務者研修・介護福祉士それぞれの手当の額 |
ひとりで何十件も求人票を見比べるのは大変です。未経験OK・資格取得支援ありの求人をまとめて探したい方は、介護職専門の求人サービスに条件を伝えて探してもらうのが近道です。
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現場17年で見てきた、未経験から伸びる人の共通点

特養と有料老人ホームで17年働く中で、未経験で入ってきた新人さんをたくさん見てきました。学歴に関係なく、伸びていく人には共通点がありました。
- わからないことを、その日のうちに聞ける
- 教わったことをメモして、同じ質問をくり返さない
- 「いつもと様子がちがう」と感じたら、すぐ先輩に報告する
- 利用者さんの名前や好きなことを早く覚える
- 遅刻や急な欠勤をしない
採用の面接でも、聞かれるのは学歴より「なぜ介護をやってみたいか」「通勤やシフトに無理がないか」といった、長く続けられるかどうかのことがほとんどでした。中卒であることを引け目に感じる必要はありません。
中卒で介護職に向いている人・慎重に考えたい人

介護職は誰にでも向くとは言い切れませんが、向いている傾向を知ると判断しやすくなります。向いていないと決めつけるためではなく、働き方を選ぶための目安として読んでください。
中卒で介護職に向いている人
- 人の話を落ち着いて聞ける
- コツコツ続けることが苦になりにくい
- わからないことを素直に聞ける
- 資格を取って給料を上げたいという目標がある
やさしさとまじめさを持っている方なら、介護の現場で少しずつ力を発揮しやすいでしょう。
慎重に考えたい人
- 体力的な不安が強く、立ち仕事がかなりつらい
- 人と関わること自体が強いストレスになっている
- 夜勤ができない事情があるのに、条件を整理できていない
この場合は、デイサービスなど日勤中心の職場を探したり、まずは入門的研修で雰囲気を知ったりする方法もあります。勢いだけで決めず、自分が続けられる条件を先に整理することが大切です。
中卒から介護職を目指す人のよくある質問

最後に、中卒から介護職を目指す方からよく聞かれる質問にお答えします。資格や学歴について迷ったときの確認に使ってください。
Q. 中卒でも介護福祉士になれますか?
なれます。実務経験3年以上(従事日数540日以上)と実務者研修の修了で受験資格を満たせて、学歴の条件はありません。
Q. 中卒で初任者研修は受けられますか?
受けられます。初任者研修に学歴の条件はありません。ただし、スクールによって受講できる年齢を決めている場合があるので、申し込む前に確認してください。
Q. 高卒認定は取ったほうがいいですか?
介護の資格を取るためには必要ありません。ただ、「高卒以上」の求人にも応募したい方や、将来専門学校・大学に進みたい方には選択肢になります。くわしくは文部科学省「高等学校卒業程度認定試験」をご確認ください。
Q. 無資格のまま働き始めても大丈夫ですか?
大丈夫です。施設の介護職やデイサービスなどは、無資格から働ける求人があります。ただし訪問介護は初任者研修以上が必要です。無資格で働ける仕事については、資格なしで働ける介護の仕事の記事でまとめています。
Q. 中卒からケアマネジャーになれますか?
なれます。介護福祉士などの資格を取り、その仕事で5年以上(900日以上)働くと、ケアマネジャーの試験を受けられます。ここでも学歴は問われません。
中卒からの介護職は、資格を積み上げれば道が広がります

中卒で介護職を目指すのは、決して遠回りではありません。学歴は変えられなくても、資格と経験はこれからいくらでも増やしていけます。
この記事のまとめ
- 初任者研修・実務者研修・介護福祉士は、どれも学歴不問で取れる
- 介護福祉士までは「実務経験3年+実務者研修」で、最短3年
- かいご畑・職場の支援・ハロートレーニング・貸付制度で、費用は0円〜安く抑えられる
- 18歳未満は夜勤ができないので、日勤で働ける職場を選ぶ
まずは、働きながら0円で資格を取れる職場があるかを相談してみませんか。相談したからといって、すぐに応募する必要はありません。
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すでに初任者研修などの資格がある方や、いろいろな求人を比べてから決めたい方は、こちらも使ってみてください。
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