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理学療法士になるには何をすればいい?基礎から丁寧に解説

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理学療法士は、ケガや病気、加齢などにより身体機能が低下した方に対して、運動療法や物理療法を用いて回復をサポートする専門職です。医療機関をはじめ、介護施設やスポーツ現場などでも活躍できるため、安定した将来性とやりがいを求める方に人気があります。

ただし、理学療法士として働くためには国家資格が必要であり、一定の学習や実習を積むことが求められます。この記事では、「理学療法士になるには」どのような道を進めばよいのか、具体的なステップや注意点をわかりやすくご紹介します。

理学療法士になるには国家資格の取得が必須です

理学療法士として働くには、「理学療法士国家試験」に合格する必要があります。これは厚生労働省が所管する国家資格で、合格後に名簿登録を行うことで、正式に理学療法士として活動することができます。

国家試験の受験資格を得るには、文部科学大臣または厚生労働大臣が指定した養成校において、3年以上の課程を修了する必要があります。高校卒業後、すぐに進学を検討する方は、このステップを踏むことが前提となります。

高校卒業後に進学すべき学校の種類

理学療法士を目指すには、まず進学する教育機関を選ぶ必要があります。

ここでは、理学療法士を養成する学校の種類と、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう!

理学療法士養成校に進学する

理学療法士になるには、まず厚生労働大臣または文部科学大臣に指定された養成施設で所定の教育課程を修了しなければなりません。これらの施設には以下の3つの種類があります。

学校の種類修業年限主な特徴向いている人
4年制大学4年基礎〜応用・研究まで幅広く学べる。大学院進学や教育・研究職も視野に入れられる。将来の専門性やキャリアの幅を重視する人
短期大学3年短期間で実践的な知識と技術を習得できるカリキュラム。大学よりも学費が比較的安く、少人数制の授業が中心。専門学校よりも一般教養科目が充実している傾向あり。学費や期間を抑えて早期就職を目指しつつ、幅広い教養も身につけたい人
専門学校3〜4年より実践的で即戦力となる技術教育に特化。多くの時間が実技や現場実習に割かれ、現場感覚を重視。就職支援にも力を入れている学校が多い。できるだけ早く現場で活躍したい、実務重視で学びたい人

各学校では、解剖学・生理学・運動学などの基礎医学から、理学療法評価学・治療学などの専門的な知識まで幅広く学ぶことができます。加えて、病院や福祉施設での臨床実習も行われ、現場での対応力や患者とのコミュニケーション能力が養われます。

なお、学校選びの際には、国家試験の合格率や就職率、実習先の質、講師陣の専門性などをよく確認することが大切です。自分の将来像や学習スタイルに合った教育機関を見つけることが、理学療法士としての第一歩になります。

進学先選びで意識すべきポイント

学校を選ぶ際には、将来を左右する重要な選択になるため、以下の点をしっかりと確認しておきましょう。

進学先選びのポイント

  • 国家試験の合格率:合格率が高い学校は、カリキュラムが整っていることや教員の指導が行き届いている可能性が高く、安心して学習に取り組むことができます。
  • 授業料や通学のしやすさ:学費の負担は家庭状況にも影響します。また、通学に時間がかかりすぎると学業や生活のバランスが崩れやすくなるため、通いやすさも大切です。
  • 卒業後の就職実績やサポート体制:就職先の種類や就職率、キャリアサポートの充実度も確認しておくと安心です。進路指導や就職相談の体制が整っているかもチェックしましょう。
  • 教員の質や臨床実習先の充実度:指導教員の経験や専門分野、臨床実習先の多様性や評判なども、実践的な学びに直結します。実習先がどのような施設と提携しているかを比較検討することも重要です。
  • 在校生や卒業生の声:実際に通っている人や卒業生の声にはリアルな情報が詰まっています。SNSや学校紹介サイト、口コミなどを参考にして、学校生活の雰囲気や学びやすさを把握しておくと良いでしょう。

実際に足を運んでオープンキャンパスに参加することがおすすめ!

施設の設備や講義の様子、教員や在校生との交流を通して、自分の目で雰囲気を確かめることが成功への第一歩です。

国家試験の概要と合格のための準備

理学療法士として働くためには、国家試験の合格が必須です。

この章では、試験の内容や難易度、合格に向けた効果的な学習方法について詳しく解説していきます。

試験内容と難易度

理学療法士国家試験は毎年2月に実施され、筆記試験形式で実施されます。出題範囲は広く、基礎から専門領域まで多岐にわたります。合格するためには、体系的かつ計画的な学習が欠かせません。

以下の表に、厚生労働省の「理学療法士国家試験出題基準(令和6年版)」に基づき、主な出題科目とその概要を整理しました。

区分主な科目例内容概要
解剖学・運動学・生理学解剖学、生理学、運動学、病理学など人体の構造と機能、運動メカニズムの基礎知識を学ぶ分野
臨床医学各論内科学、整形外科学、神経内科学、小児科学、精神医学など疾患の病態や治療法、臨床的な診断・判断力を養う
理学療法評価・治療技術理学療法概論、運動療法学、物理療法学、義肢装具学など実際の治療・評価技術、器具使用法など理学療法士としての実践能力を高める分野
リハビリテーション関連知識リハビリテーション概論、地域リハビリ、チーム医療など医療チームでの役割、社会復帰への支援方法などの幅広い視点を学ぶ
医療制度・法規・倫理医療倫理、関係法規、介護保険制度、障害者福祉、感染対策など医療職として必要な制度理解、法的責任、倫理観の基礎を習得
臨床実習実習に関する知識、臨床推論、記録作成、対人対応力など実習現場で求められる実践力や、患者との接し方、レポート作成などを問う問題が出題される

出題される内容は、日頃の講義や臨床実習で得られる知識の積み重ねが問われるため、早期からの準備が非常に重要です。

また、年々出題の傾向や難易度にも変化があるため、最新の傾向を押さえた学習計画を立てることが合格のカギとなります!

合格に向けた学習のコツ

合格を目指すうえで、以下のような学習方法が効果的です。

学習のコツ

  • 教科書の内容を繰り返し読み込み、基礎知識を確実に身につける:試験で問われるのは教科書に載っている基本的な内容が中心です。暗記だけでなく、理解を深めることが重要です。
  • 模擬試験を活用して時間配分や出題傾向に慣れる:過去問や模試を定期的に受けることで、本番での緊張感や時間の使い方に慣れることができます。また、自分の弱点を早めに把握する手段にもなります。
  • 実習で学んだ内容と教科書を結びつけて理解を深める:現場での経験を学習と結びつけることで、知識の定着率が高まり、実践的な対応力も養えます。
  • スケジュール管理と習慣化の工夫:長期的な学習計画を立て、週単位・月単位で進捗を見直す習慣をつけましょう。無理のないペースで継続することが大切です。
  • 健康管理も重要な要素:睡眠、食事、適度な運動は学習効率を高めるために欠かせません。ストレスをためすぎないよう、リラックスする時間も確保しましょう。

毎日の積み重ねが合格への近道です!

モチベーションを維持しながら、自分に合った学習スタイルを見つけて無理なく取り組んでいきましょう。

理学療法士の主な就職先と働き方

理学療法士の活躍の場は、医療介護施設にとどまらず、スポーツ業界教育機関行政分野など多岐にわたります。

主な就職先

  • 総合病院・整形外科クリニックなどの医療機関
  • 介護老人保健施設、特別養護老人ホーム、デイサービス
  • 訪問看護ステーション、在宅医療
  • スポーツジムやトレーニングセンター
  • 公立学校や特別支援学校(教育現場)

また、フリーランスとして独立したり、起業する方も増えてきており、ライフスタイルに合わせた働き方が可能です。

活躍の場は年々広がっています

近年では、従来の医療機関や介護施設での役割にとどまらず、理学療法士の活躍の場は多様化しています。特に「予防医学」や「地域包括ケアシステム」の重要性が高まる中で、地域密着型の取り組みに理学療法士が関わるケースが増えてきました。

たとえば、市町村が実施する健康増進プログラムや高齢者向けの介護予防教室では、理学療法士が運動指導や身体機能の評価を担当することがあります。また、学校教育現場では発達障害のある子どもへのサポート、企業では産業理学療法士として職場環境改善や健康経営の推進などにも携わっています。

さらに、スポーツ領域では、アスリートのリハビリコンディショニングの専門家として信頼される存在です。近年ではフィットネスジムやトレーニング施設、地域のスポーツクラブとの連携も進んでおり、地域住民の生涯健康づくりに大きく貢献しています。

このように、理学療法士の知識と技術は、あらゆる年齢層・ライフステージの人々の生活の質向上に役立っており、その社会的ニーズは今後もさらに広がっていくと考えられます。

理学療法士に向いている人の特徴

理学療法士は人と深く関わる仕事です。そのため、以下のような性格や価値観を持った人に向いています。

理学療法士に向いている人

  • 人の役に立ちたいという気持ちが強い方
  • 相手の話を丁寧に聞く姿勢を持っている方
  • 地道に努力し続ける力がある方
  • 理解力と観察力に優れた方
  • 体を動かすことが好きで、筋肉や骨格などに興味がある方

また、医療現場ではチームでの連携が重要となるため、協調性や柔軟な対応力も求められます。

キャリアアップの道も広がっています

理学療法士として働き始めた後も、スキルアップや専門分野への挑戦など、キャリアの選択肢は豊富です。

認定・専門理学療法士を目指す

日本理学療法士協会が認定する「認定理学療法士」や「専門理学療法士」の制度を活用すれば、より専門性の高い治療や指導が可能となります。分野例としては、呼吸器、神経、運動器、循環器・スポーツ理学療法・介護予防などがあります。

教育・研究分野への進出

大学院に進学することで、教育者や研究者として活動する道も開かれます。将来的に養成校で教鞭をとることや、学術的な研究を通して理学療法の発展に寄与することもできます。

また、福祉行政など社会的な分野に貢献する道もあり、多彩な可能性が広がっています。

理学療法士になるには計画的な準備が大切

理学療法士になるには、高校卒業後に養成校へ進学し、国家試験に合格するという明確なプロセスがあります。この道のりは簡単ではありませんが、目的意識を持ち、計画的に取り組むことで確実に近づくことができます。

理学療法士は、多くの人々の生活の質を向上させる重要な役割を担っており、社会的にも意義のある職業です。医療や介護に興味があり、やりがいのある仕事を目指したい方にとって、大きな可能性を秘めています。

まずは情報収集から始め、自分に合った進路を見つけてみましょう。

理学療法士の資格を取るのは大変だけれど、高齢者の方にマッサージなど、ワンランク上のサービスを提供したい方には、「介護リハビリセラピスト」という資格があります!

通信講座でも取得できるので、スキルを身につけたいと考えている方は参考にしてみてください。

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